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KITAHATA URBAN DESIGN CORPORATION

ねじりまんぽ(煉瓦斜拱渠)


馬場丁川橋梁/JR京都線/京都市西京区
撮影/平成23年4月29日


も く じ
■■ 1.「ねじりまんぽ」とは
■■ 2.「ねじりまんぽ」を見に行こう
■■ 3.「ねじりまんぽ」の構造
■■ 4.「ねじりまんぽ」建設再現
■■ 5. INFORMATION
    参考文献、リンク
    これまでの土木施設見学トピック


1.「ねじりまんぽ」とは



写真1−普通のマンポ/JR京都線/甚兵川橋梁

写真2−ねじりまんぽ/京都市、インクライン

写真3−ねじりまんぽの煉瓦の積み方
/アーチ部はこのように傾斜を付けて積まれます。
/側壁部(下部)はイギリス積という積み方です。
/京都市、インクライン

写真3−線路道路との関係イメージ
たけちゃん作成・模型の写真に加筆

写真4−端面(妻部)
/出入り口部も道路に対し斜めになるので、
 煉瓦の妻側を面一になるようにはつったものが多い。
/JR京都線/奥田畑橋梁

■高校〜大学時代の友人”たけちゃん”が

大阪に帰ってきて以来、

彼が『はまった』明治時代の土木遺産

   ” ねじりまんぽ ”(煉瓦斜拱渠)

に、こちらもはまってしまいました。


明治時代、田んぼや水路・通路があったところに

鉄道を横断させたので、水路や通路が分断されました。

そこで、マンポ(正確には鉄道の橋)を造って

これまで通りに通れるようにしたというわけです。



■鉄道と道路が直角に交差するところでは

普通に水平に積んでアーチを造っていくのですが、

(写真1参照) 線路と道路(マンポ)が

ある角度以上に斜めに交差する場合、

このねじりまんぽが施行されました。(写真2参照)


レンガと線路とが直角に交差するように、

レンガを積んでいます。(写真3参照)

結果的に道路側から見ると

アーチ部分の煉瓦が捻ったように見えるのです。



■ねじりまんぽの数は正確には把握されていませんが、

元々施工例が少ない上、老朽化や廃線で撤去され、

現在は、全国に30箇所程度しか無いと言われています。

その内、約2/3が近畿地方にあります。


特に旧東海道本線は、

ねじりまんぼの宝庫と言われています。



■世間が花見で浮かれている平成22年4月10日、

JR山崎〜島本〜高槻を線路沿いにママチャリで走り、

地図を片手に、JR京都線のトンネルを一つ一つ見て回りました。


家を出てから約1時間、

普通のレンガ積みのトンネルばかりでしたが、

9箇所めで、ようやく”ねじりまんぼ”を発見しました!!


北側半分はコンクリート製ですので

線路を増設した時に新しく作った物でしょう。

南側は正真正銘明治9年完成のマンポです。

西郷隆盛がまだ生きていた明治9年から、

130年以上現役の土木構造物です。



■レンガは今のものとは寸法が違います。

現場によっても様々な形状のものが作られていたようです。

ちなみに、JR京都線に使われた煉瓦は、

京都の桂で作られたそうです。


また、積み方も色々です。

天井のアーチ部分は一般的な”長手積み”ですが、

JR京都線の側壁部分は、

”イギリス積み”が多用されているようです。

その他、迫受石の有無、端面(妻側)の形状等にも

様々な種類があります。

2.「ねじりまんぽ」を見に行こう

■円明寺架道橋
■名称/円明寺架道橋/No不明

■場所/京都府乙訓郡大山崎町円明寺

■路線/JR京都線/山崎駅−長岡京駅

■現地撮影/平成22年4月11日

■人がしゃがんでやっとの高さです。おそらく日本一小さな”ねじりまんぽ”ではないでしょうか。床にもレンガが敷いてあります。これもめずらしいです。

 「鉄道と煉瓦」では「円妙寺」と記されていますが、現場周辺は「円明寺」と表記されているので、ここでは「円明寺」と表記しています。

■詳細情報はこちらです。

■奥田畑橋梁
■名称/奥田畑橋梁/No.とうかい140

■場所/大阪府高槻市梶原/JR京都線

■路線/JR京都線/高槻駅−島本駅

■現地撮影/平成22年4月10日

■「鉄道と煉瓦」では「奥田端」と記されていますが、現場には「奥田畑」とあるので、ここでは「奥田畑」と表記しています。

軽四車輌やバイクが通りますので、傷だらけです。

■詳細情報はこちらです。

■門ノ前橋梁
■名称/門ノ前橋梁/No.とうかい154

■場所/大阪府茨木市田中町

■路線/JR京都線/茨木駅−摂津富田駅

■現地撮影/平成22年6月3日

■大型のねじりまんぽです。昔はバスも通ったとか。斜めに切った迫受石があります。
現在でも車がり、人や車の通行量は多いです。

■詳細情報はこちらです。

■インクライン
■名称/ねじりまんぽ

■場所/京都市東山区東小物座町

■路線/インクライン(琵琶湖疎水)

■現地撮影/平成22年3月27日

■トンネルの表裏に額があり、東側には「雄観奇想」、西側には「陽気発処」と書いてあるそうです。JR京都線のねじりまんぽ(1876年)の12年後(1888年)に作られた物です。

■詳細情報はこちらです。


■馬場丁川橋梁
■名称/馬場丁川橋梁/No.不明

■場所/京都市西京区牛ケ瀬奥ノ防町

■路線/JR京都線/桂川駅−西大路駅

■現地撮影/平成23年4月29日

■知らなかったらちょっと入る勇気の出ないような入口を入り、かがみながらコンクリートボックスの水路を進むと煉瓦が見えてきます。殆ど人目に触れたことのない幻の「ねじりまんぽ」です。

■詳細情報はこちらです。


■東皿池橋梁
■名称/東皿池橋梁

■場所/兵庫県西宮市郷免町

■路線/JR神戸線/さくら夙川駅−芦屋駅

■現地撮影/平成23年6月9日

■現存する我が国最古の”ねじりまんぽ”ですが、非常に残念なことに、煉瓦模様のコーティングシートですっぽり覆われています。シートの破れ目から往年の斜めになった煉瓦を垣間見ることができます。

■詳細情報はこちらです。



3.「ねじりまんぽ」の構造
(写真、資料提供/たけちゃん)

■さて、ここからは学友”たけちゃん”に承諾を得て、

彼のブログから、ねじりまんぽの構造概略を紹介します。

(写真提供/たけちゃん)


■現場条件/道路とレールの交差角度(斜架角)

交差角度(斜架角)θと煉瓦の立上り角β(起きょう角、スキュー角)の関係式は

     tanβ=2/(π tanθ)

現場の条件からθが決まるとβも決定します。
θ=A,B,Cで結ばれる角度
   ACは道路の軸線、BC=トンネルの入り口面=レールの方向
   BC=平行=B'C'(レールが登っているので平行には見えない)
交差角度(斜架角)θ

この煉瓦の立ち上がり角度がβ

■展開図

(斜架角)θと(起きょう角、スキュー角)βからアーチ部煉瓦の展開図を作成します。

その手法は「斜架拱(しゃかきょう)」に書いてある「螺旋法」によるのですが、

このあたりの細かいことは原著を見ていただくか、たけちゃんのブログを参考にして下さい。

完成展開図 ペーパクラフト

4.「ねじりまんぽ」建設再現
(写真、資料提供/たけちゃん)

ねじり部展開図と煉瓦の作成 完成展開図
セントル(半円筒作業台)に上板を張る
現場での組立

れんが積みスタート

1巻目完了
2巻目準備

2巻目完了
3巻目完了

スパンドレル
スパンドレル

作業床(セントル)撤去
完  成




5. INFORMATION

参考文献、リンク


■Day by day

 私の学友にして現役の土木技術者”たけちゃん”が、趣味で解析する
       ”ねじりまんぽ”の技法とその疑問
 「斜架拱(しゃかきょう)」に基づいて”ねじりまんぽ”の展開図や模型を作っているお奨めのブログです。

 http://daybyday-work.seesaa.net/

  ■茨木で”ねじりまんぽ”を発見/130年前のトンネル
  ■”ねじりまんぽ”をExcelで解く/3次元建築構造解析トンネル断面
  ■参考にした文献/ねじりまんぼ「鉄道と煉瓦」「斜架拱(しゃかきょう)」−1斜架拱−2
  ■設計に着手/展開図施工準備写真展開力学論文算式
  ■茨木のねじりまんぽ/茨木ステンション田中の丸また富田のレール
  ■インクライン/花見のねじりまんぽインクラインの考察雄観奇想ねじりすぎ
  ■ネジリマンポの時代/時代背景明治初頭今昔マップ鉄道忌避
  ■ねじりまんぽ探索/JR京都線馬場丁川はおもしろい
  ■ねじりまんぽ建設/藤田組黒鍬者募集施工方法;砂箱アーチウイング無事竣工


■斜架拱(しゃかきょう)
/伊藤鏗太郎(イトウ コウタロウ)編訳
/1899年(明治32年)

 我が国で初めて斜架拱”ねじりまんぽ”を単独で取り上げた書物と思われます。

 国立国会図書館・蔵書検索システムで検索すると、原著のPDFデータを閲覧ダウンロードすることができます。



■鉄道と煉瓦−その歴史とデザイン
/著者;小野田 滋(おのだしげる)
/鹿島出版会/2004発行

 煉瓦の歴史や組積方法鉄道構造物としてのデザイン等について記されています。
 全国45都道府県を調査した”足で書かれた論文”です。


■疎水の散歩道
>技術>建設工事

 「ねじりまんぽ」の名前の由来についても詳しいホームページです。


■ねじりまんぽ


 ■ねじりまんぽ(インクライン・琵琶湖疎水)京都市東山区東小物座町

 ■馬場丁川橋梁(JR京都線)/京都市西京区牛ケ瀬奥ノ防町

 ■円明寺架道橋(JR京都線)/京都府乙訓郡大山崎町字円明寺

 ■奥田畑橋梁(JR京都線)/大阪府高槻市梶原5丁目

 ■門ノ前橋梁(JR京都線)/大阪府茨木市上泉町

 ■安井橋梁(JR神戸線)/兵庫県西宮市安井町
  【目視できず】/「さくら夙川駅」の工事のため平成18年に撤去又は埋殺しされたもよう。

 ■東皿池橋梁(JR神戸線)/兵庫県西宮市郷免町

 ■木杣上谷橋梁(JR神戸線)【撤去】/兵庫県西宮市郷免町






これまでの土木施設見学
トピック



■今、土木が熱い! /市民向け・土木構造物の見学




  「市民向け・土木構造物の見学」の情報満載のホームページ。
  
  これまで応募して外れたり、参加した「見学」の一部を紹介します。

  詳しくはこちらをどうぞ→今、土木が熱い!/市民向け・土木構造物の見学

■何時でも見学できる土木施設

 何時でも誰でも見学できる土木構造物等を紹介します。
 詳しくはこちらまで。

●明石海峡大橋ブリッジワールド 
  平成17年4月30日(土)
  垂水側から歩き、明石大橋の主塔に登ります。
  海面から289m、瀬戸内海の大パノラマです。
  ★この見学は何時でも申し込めます。

●マンホールの蓋
  そこら辺に転がっているマンホールの”蓋”
  このデザインがすごい!!
  カラーバージョンまであります。
  ★この見学は何時でも自由です。

■参加した「土木構造物・見学会」の紹介

 これまでに参加した「土木構造物・見学会」の一部を紹介します。
 詳しくはこちらまで。

100年後の『土木遺産』をめざす 余部橋りょうを見に行こう!
/新旧余部橋りょうの見学会/ちらしPDF


平成21年6月5日(土)
明治45年(1912年)に完成した余部鉄橋を新しい橋に架け替える工事が終盤戦を迎えます。現在の姿を見る事ができる最後の機会です。
●第二京阪道路開通記念/ウォーキング・イベント


平成22年3月20日(土)
開通を記念して開催された
   『第二京阪道路開通記念ウォーキング』
に参加してきました。心配していた天気も当日は快晴。風も少なく絶好のハイキング日和です。
●大阪湾空中散歩


平成21年11月28日
マニアの間ではチョー有名な”なみはや大橋”を歩くこと。プラス、”ミステリーツアー第3弾”しかし、”なみはや大橋”へのアクセスは車以外は大変不便です。そこで、ネットで見つけた方法を採用しました。


●『沈埋トンネル』って何?⇒海底探検でその謎を解け!
〜日本で「最初」と「最新」の沈埋トンネルを見に行こう!!〜


平成20年11月15日(土)
沈埋工法により工事が行われている「夢咲トンネル」と、その沈埋工法によって、日本で初めて建設された「安治川トンネル」の見学会です。
 

●みんなで歩こう!4000m新滑走路
  平成18年3月26日(日)
  関西国際空港2期埋立地完成直前、
  新滑走路4kmを歩きます。

●竜宮への灯り道/大津放水路
  平成17年2月12日(日)
  水没前の放水路を歩きます。
  水路内には、葦のオブジェが展示されています。

●関空ファミリー釣り調査
  平成16年7月3日(土)
  初めて許可された関西空港での釣り。
  苦労の末初日に当選。足元には年無しチヌの群れ・・・

●関空2期空港島現場見学ツアー 
  平成16年4月10日(土)
  関西国際空港2期埋立地を、バスに乗って見学します。
  まるで働く車の展示場です。
  ★この見学は平成23年3月で終了しました。
●名神天王山トンネルウォーク
  平成10年3月22日(日)
  開通前の名神高速道路しん天王山トンネルを歩きます。
  浜村淳もやってきて、お祭り騒ぎです。




 
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